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​会の記録

記録

第1回 2019年5月22日

「社会福祉への招待」を読み始めました。
第1回目は、福祉ができるまでの背景を。

産業革命後に急速に発展した社会において、
資本主義の波によって、
顕著な「差」が始まり、「貧困」が発見された。
貧困への対応として、ドイツで福祉(救済法)が開始されたのが、福祉制度の始まり。

日本においては、20世紀に個人の発見、自由の獲得と共に、資本主義的な価値の推進のために、福祉制度が生まれていく。


学び深い会でした。
制度をひとまずおいて、福祉の心を省みると、
助け合いたい心は、制度からでなく、人と人との共に生きていこうとする心。差を持たない心。そこから始まっていく。。

その上で、社会制度は社会と個人を繋げ、共助の意識を育む、、きっかけになる…心と制度、実践。これから学び始めます。

 

第2回 2019年7月27日

「『社会福祉への招待』を読む会 第2回」がありました。

 

 資本主義の考えのもと、「自由や権利」を獲得があった。

 

自分で生活すること(自助)や

「生産的に社会で生きる」を良しとする考えが、第一になっていきました。

「強い自己」への期待。

 

しかし、振り返ると、生産的な活動だけが生命の本質ではない。

人は老いる。

それを考えるだけでも、生産性が生命の価値になると、影が生まれるのは明らか。

 

そもそも、私たちの生命は一人で生きられるようにはできていない。生まれた時から誰かの世話になる。家族という小さな単位に所属している。命は助け合いながら繋がれていくもの。

 

助け合いながら、、どんな個人に育てよう、なろうとしているのか?

自立、自活、、生産的な価値を持つ人を育てること、なることで良いのか?

 

強い自己になるための助けをする事が福祉なのか?

・・・「強い自己」への気づき、生活の変動とリスクの関係をみる会でした。

第3回 2019年11月16日(土)10:00~12:00

『社会福祉への招待』を読む会 第3回 福祉国家のリスクと生活のリスク管理

参加者:9人

 

第2次世界大戦後に世界の国家が目指した福祉国家。

 国民の経済活動は、社会情勢(戦争、世界恐慌)と関わる。だからこそ、国家は積極的に市場に介入し国民の生活や秩序の維持を図らなくてはならない。

先進諸国は第二次世界大戦後(中)から自由主義社会の国家像を福祉国家として構想を始めた。

「ゆりかごから墓場まで」(べヴァリッジ報告)・・・「5つの巨大悪(five giants)」窮乏、疾病、無知、劣悪な生活環境、無為(失業)の解消が必要。

その為に「社会保険」を中心に、最低限度の生活の保障を実現しようとした。

失業手当や児童手当、医療保険、老齢年金などである。

 

社会保険制度の特徴は生活上の共通リスクを国が予防すること。

「共通リスク」とは?

疾病、高齢による労働力の喪失、失業、労働災害・・・+介護、介助

リスクが発生する前に、保険金を支払ってもらい(拠出)、保険基金を作る。

必要な時に、拠出した金額に応じて給付金が支払われる(受け取れる)。

 

拠出できない人のリスクには、「国家介入」の必要が応じる。

それを社会扶助(公的扶助)といい、税金で賄われる。(生活保護など)

*べヴァリッジの構想した福祉国家は社会保険(予防)と社会扶助(救済)で構成。

 

福祉の権利は市民の地位を保障する。身分制度に左右されない市民の平等がある。そんな国家の有様である福祉国家。

その後、議論された社会連帯論は、福祉国家の正当性を示す。

個人は社会と結びついていて、連帯のモラルや、国民は国家のメンバーとして醸成されていく。

そして福祉国家として成り立っていく。

 

・福祉国家が作られていく歴史を知ることができました。

・実際の制度(現状日本)では、社会保障(介護保険など)が使いやすいもの、また完成されたものとは言えない。制度と利用の乖離がある。

・福祉国家への考え方も醸成されているとは言えない、大切なのは「福祉を知る」教育なのではないか?

第4回 2020年1月12日「社会福祉への招待」を読む
「福祉国家の「再編」と社会的排除」 

 

 戦後(中)から始まった、福祉国家の考え方は「貧困」の発見からはじまった。
貧困をはじめとする社会悪をなくすことを目的として「福祉国家」を目標にするシステムが生まれ、世界的に福祉制度がスタートした。

しかし、

オイルショックなどの経済打撃や、「脱工業社会とグローバリゼーション」によって、福祉国家システムは崩れ、
「再編成」が必要になった。

 

  また、1980年代、ヨーロッパ諸国では従来の「貧困」という考え方を発展させた「社会的排除」という考え方が出てきた。

  貧困をただ金銭的や物質的な欠如だけではなく、人と人との関係性や、人と社会の関係性にも着目し、「社会活動に入れない問題は排除する側(社会や制度)にある」とした。
それに対抗する「社会的包摂(ほうせつ)」を課題とした。

 

ワークフェア

 排除された人たちを労働により「自立」させる計画ができた。しかしこれは「自助」を加速させる。

ゆえに、働けない高齢者、重度の障害者、難病患者を置き去りにする可能性がある。


初の夜講座!
カレーは会場の到着した人から、召し上がっていただきました。
お仕事帰りでみなさんきてくださったので、大好評でした!

第5回 2020年3月23日「社会福祉への招待」を読む
「社会福祉の多様な供給主体と新しい公私関係(前編)」

 

 福祉が本格的に始まったのは、第二次世界大戦後。

戦中は、どの国家も軍事国家としての道を歩んだが、

戦後は「福祉」を整えることで、国家を建てる方向に舵をとる。

 

公的な福祉の導入で、国家統制を果たしてゆく(福祉国家)の始まり。

日本でも、戦後、年金制度ができ、国民保険、社会保険も始まり基盤を作る。

 

 福祉制度が始まり、戦後70年。
福祉は行政による措置制度から、「サービス提供者との利用契約制度」に変わった。
それにより、サービスの多元化、供給主体が行政から多元(民間組織を含む複数)になる動きが進んでいる。

 

一般企業やNPO(非営利)、市民ボランティアもサービス提供側に参入した。
営利・非営利、行政・一般企業など、福祉へ参画している形態は区分できる。

 

利用者がサービスを選択できる制度になってきているが、サービスの不一致など、まだ難しさがある。

 

その中で、「当事者」による福祉団体も生まれ、当事者自身が必要なサービスを作り、さらには、その活動による社会参加への動きも生まれている。

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第6回 2020年5月25日「社会福祉への招待」を読む
「社会福祉の多様な供給主体と新しい公私関係(後編)」

 参加者9人 オンライン開催

 2000年前後に福祉システムの大転換があった。

 

「福祉の市場化」
①福祉サービスの多元化(一般企業やNPO法人などが福祉事業に参入できるようになった)が起こり、

②利用者が福祉サービスを選択できる制度になった。「利用契約制度」。

③福祉にも市場原理が導入された。

福祉社会に効率主義や成果主義が持ち込まれると、支援が困難な事例やサービス側の不利益なことへのサービスが排除される可能性が出た。

​また、地域格差の問題も生まれた。

福祉多元化の実現に向けて

 社会福祉法人の資金、運営をめぐり検討が行われている。
社会福祉法人は従来、政府にはできなかったサービスの提供やコスト削減のメリットもあるが、公益性を問われ、公的補助や税制免除などへの改革が行われている。

新しい社会福祉の構築に向けては、現在でも様々な取り組みがある。

また、今回は新型コロナの影響下で、市民と地域とのあり方がどのように変わってゆくのか、暮らしの変化の中で「排除されない」ことを配慮しつつも、どのような地域社会、福祉社会が形成されていけばいいのだろかという問題提起もされた。

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第7回 2020年7月6日 18:30 ~ 「社会福祉への招待」を読む
「地方分権と「地域福祉計画」」

 参加者8人 オンライン開催
 

 戦後の社会福祉は中央政府が地方自治体を統括する上意下達による一元的な行政システムが採られてきた。

財源による統制があり国と地方が主従関係となっていた。

地方の自立性を奪う、住民ニーズが拾えないことなど問題点があった。

 1980年代に入り、国から地方への権限移譲が行われる。

 1990年には「福祉関係八法改正」に伴い、老人および身体障害者の施設への入所決定は町村へ移譲された。

1999年「地方分権一括法」施行。
児童福祉、老人福祉、障害者福祉サービスなどの社会福祉関連の措置は自治事務に区分されるようになった。

 

 2004~6年「三位一体改革」。

  地方へ権限移譲されるも財源移譲は進まず、地方は財源不足になり公共サービスの縮小・廃止、経済性重視の福祉サービスへとの転換を余儀なくされ、自治体格差を生んだ。

 地域によっては制度やサービスを利用できないなどの受給権の格差が生まれ、人口の流出も生む可能性も孕む。

 地域が抱える問題は、地域再生、文化の保持、高齢者の孤独死や就労者の支援など多岐にわたる。 求められる機能は公と民の協力である。(ローカル・ガバナンス)

 住民参加型の問題解決にむけて、住民が当事者として参加することを「自治型地域福祉」とし、「住民が自らの地域福祉の理念の理解と実践へ」参加するとともに、基礎自治体がその自治能力をもって国との関係において主導的立場をとることが重要であると提唱されている。

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第8回 2020年9月7日 18:30 ~ 「社会福祉への招待」を読む
「社会福祉のニードと利用資格 前編」

 参加者11人 オンライン開催
 

社会福祉ニードとは

社会福祉の領域で使われる「ニード」。

「本来満たされねばならないニードが満たされていない状態」→社会福祉の課題とする。

 

ニードは何か。

基本的ニーズの「健康」、「文化的充足」、自由を選択しうる「自立」などを含めた数多くの提示があるが、簡単に決まらない。

 

本人(当事者)に満たされていないニードは、わかりにくいので それを判断しなくてはならない。

しかし、判断の方法は多岐にわたる。

 

「最低生活費の基準からの判断」

「本人の感じていることからの判断」

「専門家の判断」

「科学的知識・社会規範からの判断」など。

 

どの判断がいいかは決定していない。

 

 

充足の手段「サービスなのか、貨幣なのか」

支援の方法は、貨幣(お金)であるべきか、サービス(施設提供含む)であるべきか、は

その人を取り巻く属性によって、決めることではないか。

 

また、支援を決定する際には、支援の判定基準に当てはめて判定するが、

個別の判定も必要である。現場ワーカーによる「裁量」がそれにあたる。

 

基準での判定に加えて、現場によった個別のニード判定があることで

具体的な提供できるサービスや器具などを個別に対応できる。

 

個々人の感じるニードと判定との乖離は利用者の不満、不安を大きくするので、

基準の見直し、裁量の方法を見直ししていかなくてはならない。

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